主な生息地 | アラスカ・カナダのほぼ全域(樹林帯の北限より南)およびアメリカ西部 |
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体長・体重 | 140cm〜180cm、220kg〜450kg |
毛の色 | 黒、ブロンド、褐色、シナモン色 |
好物 | 草の根 |
特徴 | 胸にあるしっかりとした斑点 |
ブラックベアー(American Black Bear=アメリカクロクマ)は、その名から黒い毛色をしていると思われがちだが、実際には真っ黒な毛色の他にもブロンド、シナモン色、明るい褐色から濃いチョコレート色、青みがかった色、それらの中間色の毛色を持つものまで様々である。 また胸にはっきりとした白い斑点が見られることが先に述べたグリズリーベアーには無い特徴で、さらに身体的な違いとして、鼻筋が真っ直ぐ(ローマン・ノーズ)で比較的とがっていること、鼻先のすぐ上から鼻面周りにかけて色が薄くなっているのが目立つことが挙げられる。またその体長は140〜180cm、体重40〜270kgとグリズリーベアーに比べ少し小柄だが、それは同じ雑食性哺乳類とは言えブラックベアーの方がより草食を好むということもその一因なのだ。
ブラックベアーは樹林帯の北限より南のカナダのほぼ全域とアメリカの一部でその生息が確認されているが、内陸部で生息するものより、餌の豊富な沿岸部で生息するものの方がより大きな体格をしている。
1900年代初頭のゴールドラッシュで賑わいを見せ、道路は整備され、鉄道建設の計画まで持ち上がった。最盛期には一万人以上の人口を誇ったこの町は、程なくゴールドラッシュが終焉を迎えたことにより、鉄道建設は中止され、人口もみるみるうちに減少し、近年は700名程度の小さな町となった。その人々にいつしか忘れ去られ、林業で生活の基盤を作っていた町は今、動物と氷河の町として静かに息吹を上げ始めた。
最寄りの空港はテラス空港もしくはスミザーズ空港である。テラス空港からスチュワートは車で約4時間、スミザーズ空港からスチュワートは車で約5時間弱の距離になる。
ここでのベアーウォッチングはスチュワートに滞在しながら、そこから車で約10分、国境を越え、アメリカ合衆国アラスカ州ハイダーという町の郊外で行なわれる。
フィッシュクリークというサーモングレーシャーの氷河の溶けた水が流れ込んでいるサーモンリバー(川)沿いにウッドデッキが作られている。そこからなんとも豪快にサーモンを追いかけるクマの姿を目のあたりにできる。言わば、クマの活動圏内で我々がウッドデッキに入り、動物園の逆の立場で観察するのだ。
この辺りでよく見られるクマはグリズリーベアーで、サーモンリバーに毎年7月から10月にかけて産卵のために遡上するサーモンを目当てにやってくる。特にサーモンの遡上が始まる7月頃には、その元気なサーモンを追いかけ格闘し捕食する迫力あるシーンが間近に見られ感動的である。その他にもブラックベアーや白頭ワシ、時にはオオカミも姿も現し、こんな近くで野生の営みを観察できるのは世界でも数少ない場所といえるであろう。また、遡上したサーモンが、そこで力尽き、あるサーモンはグリズリーに栄養価の高い内臓部分のみを食べられ骨だけの姿になって河原や土手に捨てられ、カモメたちが貪る。よく見ると河原近くの草木はよく茂っている。 その腐食したサーモンが肥料となっているからである。ここでは単にグリズリーの迫力ある野生の姿以外に、地味ではあるが食物連鎖そのものの自然の営みを観察して欲しい。
※シーズン:7月から9月
ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー島北端に近いカナダ本土の海岸から南東アラスカはグレートベアーレインフォレストと呼ばれている。それは、北アメリカ、チリ、北欧、及びニュージーランドでかつて豊富であった温帯雨林の最後の原生林である。
9月になるとサーモンが2,500箇所以上の川を遡上し、それを目当てにカーモードベアー、ブラックベアー、グリズリーベアーが海岸部にやってくるのだ。
シーズンには宿泊が可能なボートを利用してのベアーウォッチングツアーが盛んに行なわれている。また、グレートベアーレインフォレストの中に位置し、カーモードベアーがブラックベアー10頭に1頭という高い割合で生息するプリンセスロイヤル島にはキングパシフィックロッジというカナダを代表するウィルダネスリゾートが夏期のみ営業する。このロッジのアクティビティーには専門家とともにカーモードベアーを探す野生動物観察ツアーが用意されている。
※シーズン:5月から6月及び9月から10月上旬